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タイプセット文書要素を作成する

第 4 章 文書のタイプセッティング 61

4.4 タイプセット文書要素を作成する

多くのシェルドキュメントにはあらかじめ設定されたフィールド—例えば表紙や概要等

あり, TEXはそれに基づき所定の文書要素を生成します. 文書をタイプセットしない場合には,

れらのフィールドは無視され文書要素の生成は行われません.文書中に追加されたオブジェクトに 基づき生成される文書要素もあります(例えば注釈,引用,索引,クロスリファレンス,等). また

文書にhyperref パッケージが追加され, PDFタイプセットが行われた場合には,クロスリファレ

ンス,ページ参照,注釈,引用の生成に留まらず,それらのハイパテキストリンクへの変換も行われ ます. hyperref パッケージについては,Typesetting Documents in Scientific WorkPlace and Scientific Word マニュアルとオンラインヘルプを参照ください)

またプログラムが提供していない機能であっても, TEXまたはLATEXコマンドをTEXフィール ドに設定することでその利用が可能になります. ただしこの場合はTEXにある程度習熟している 必要があります.

Important 文書要素を生成するためには文書のタイプセットが必要です. タイプセッティングせ

ずに文書を作成した場合, TEXの処理が実行されないため文書要素の生成は行われません.

4.4.1 クロスリファレンスの作成

文書をタイプセットすると,数式,定理環境,画像,セクションなど番号の付されたオブジェクト, あるいはそれらが存在するページへのクロスリファレンスを自動生成することができます. クロス リファレンスは2つの部分—すなわち該当するオブジェクトに対するキーを含んだマーカーと, それに対する参照—から構成されます. タイプセット時これらの参照は解決され,該当するオブ ジェクトの番号で置き換えられます. hyperref パッケージはこのクロスリファレンス機能を拡張 するものです. 詳細はCreating Documents with Scientific WorkPlace and Scientific Word ニュアルを参照してください. タイプセット機能を使用しない場合,クロスリファレンスとマー カーが印刷されることはありません.

◮マーカーを作成する

1. マーカーを作成したい場所にカーソルを移動します.

2. フ ィ ー ル ド ツ ー ル バ ー の マ ー カ ー ボ タ ン を ク リ ッ ク す る か, 挿 入メ ニ ュ ー の マ ー カーを選択します.

3. キーボックスにユニークなキーを入力し,OKボタンをクリックします.

表示メニューのマーカーにチェックが付いている場合,ドキュメントウィンドウに次のよう なマーカーが表示されます: .

4. 文書を保存します.

画像や数式,参考文献に対するマーカーの設定方法は異なります. オンラインヘルプを参照 してください.

◮番号付きオブジェクトに対するクロスリファレンスを作成する 1. クロスリファレンスを表示させたい場所にカーソル移動します.

2. タイプセットオブジェクトツールバーのクロスリファレンスボタン をクリックする か,挿入メニューのタイプセットオブジェクトを選択し,クロスリファレンスを選択します.

4.4 タイプセット文書要素を作成する 67

3. 出力グループからオブジェクトカウンタを選択します. 4. 該当するキーを入力するかキーリストから選択します. 5. OKボタンをクリックします.

クロスリファレンスが作成されるとref という単語とキー名を含んだ灰色のボックスが画面上 に表示されます: .

4.4.2 注釈(ノート)の作成

文書中にマージンノートやフットノートへの参照を作成することができます.文書をタイプセッ トすると,ノートへのクロスリファレンスが生成され,タイプセット仕様にしたがってその様式が 設定されます. タイプセットを行わない場合,フットノートやマージンノートは印刷されません.

◮フットノートを作成する

1. フットノートへの参照を表示させたい場所にカーソルを移動します.

2. フィールドツールバーのノートボタン をクリックするか,挿入メニューのノートを選 択します.

3. ノートの種類ドロップダウンリストからfootnoteを選択します. 4. フットノート用のテキストを入力し,OKボタンをクリックします.

ドキュメントウィンドウ上にフットノートが表示されます: .

4.4.3 文献目録と引用の作成

シェルが文献目録をサポートしている場合,文献の一覧とそれらに対するクロスリファレンス, すなわち引用を作成することができます. 文書をタイプセットすると,文献に対する引用が生成さ れると共に,タイプセット仕様に従った様式設定も行われます.

文献目録の作成方法には2通りがあります. 文献目録が複雑な場合には, Oren Patashnik氏に よって開発されたパブリックドメインソフトBibTEXを使用して文献目録を自動作成する方法が あります. BibTEXは文書中に設定した引用をキーとしてデータベースから参照情報を抽出し, 献一覧を所定の様式で作成します. 文献目録が比較的大きく,他のアーティクルや書籍での利用も 考えている場合,手作業で文献目録を作成する必要がないので,BibTEX の文献目録作成機能が便 利です. ただしその操作は若干複雑です. 詳細はオンラインヘルプを参照してください.

文献目録が比較的単純なものなら,手入力する方法もあります. 操作が単純なので,文献一覧の 大きさが小さく,またそれを他のアーティクルや書籍で利用する予定がない場合に推奨します. だし文献一覧の様式設定は自分で行うことになります.

◮手作業での文献目録作成を選択する

1. タイプセットメニューから文献目録の選択を選びます. 2. 直接入力を選択してOKボタンをクリックします.

◮文献一覧を作成する

1. 文献目録に先行する行の末尾にカーソルを移動してenterキーを押します. 2. 文献目録のタグをアイテムタグより選択,設定します.

3. 参照文献項目に与えるユニークなキーをビブアイテムプロパティダイアログボックス中に 入力し,OKボタンをクリックします.

4. 文献に関する情報を入力します.

5. 項目が他にもある場合enterキーを押して改行し, 34の操作を繰り返します.

6. 全ての文献を記述したらenterキーを押して改行します. そして をクリックしてリ ストの作成を終えます.

◮文献目録用の引用を作成する

1. 引用を作成する場所にカーソルを配置します.

2. タイプセットオブジェクトツールバーの引用ボタン をクリックするか,挿入メニュー のタイプセットオブジェクトを選択し,引用を選択します.

3. 引用ダイアログボックス中に該当する文献項目用のキーを入力し,OKボタンをクリックし ます.

ド キ ュ メ ン ト ウ ィ ン ド ウ 上 に,文 献 目 録 の キ ー を 含 む 小 さ い 灰 色 の ボ ッ ク ス が 表 示 さ れ ま す: .文書をタイプセットすると,キーが文献項目の番号に置き換えられます.

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